近年はインターネットの発達により、紙を使わずに本が読めます。
しかし、紙を使った本の価値がなくなったわけではありません。
現在でも日本では古本や古書の買取が行われており、熱狂的なファンの間では高値で取引されています。
そこで今回は、古本と古書の違いや保存方法についてお話しします。
そもそも古書とは一体どういったものを指すのでしょうか。
古書とは一般的に、絶版(再び印刷されないこと)のもので、新しいものが手に入らなくなっている本のことを指します。
古書と呼ばれるものは、いわゆる普通の本だけではありません。
古文書や古くに書かれた地図、手紙なども古書と呼ばれ、特に歴史的に価値のあるものは高値で買い取られることも多いです。
また、古書ISBNコードがついていないものを指す場合もあります。
ISBNコードとは、International Standard Book Number(インターナショナル・スタンダード・ブック・ナンバー)の略で、日本語では国際標準図書番号と訳されます。
このコードは、世界共通で書籍を特定するために1965年にイギリスで発明され、その後1981年ごろから日本でも採用されるようになりました。
古本は一般的に古書よりも新しく、過去に誰かが読んだ本のことを指します。
新品ではない本であると言っても良いでしょう。
古本は新品の本に比べ、定価よりも安く手に入ることからなるべく安く本を買いたい人に需要があります。
つまり、古本と古書の違いは新しいものを手に入れられるかどうかということと、定価より値段が高いか低いかで判断できると言えます。
最近では電子書籍が普及し始めましたが、それが原因で古書の価値がなくなるわけではありません。
理由はいくつかあります。
1つは絶版になった本は電子書籍としても販売されることがないからです。
そのため希少価値が高まり、特に歴史的に価値のある昔の書物などはコレクターに人気を博しています。
そのため、定価よりも高値で取引されるようなものも増えていると言えるでしょう。
また、電子書籍よりも紙媒体の方が好きという人にとっては、古書は馴染みやすいものであると言えます。
ページをめくる音や本の匂いといった電子書籍にはない感覚を味わえるところが紙媒体の良いところですよね。
これらの理由から、古書を含めた紙媒体の需要は電子書籍が登場してもなくなっていないと言えます。
上記でも述べた通り、古書には一定の需要があり、高値で買い取られることもあります。
しかし、それはあくまで綺麗な状態で保存されていたものに言える話です。
保存状態が悪い古書は、買い取ってもらえない場合もあるため注意しましょう。
どうすれば古書を綺麗な状態で保存できるのでしょうか。
本が痛む原因の1つは、虫による状態の悪化です。
本棚に長い間置かれている本には、本を好む虫がわいてしまう場合があります。
その虫は人体には影響ありませんが、成虫になることで部屋中を飛び回るようになるため注意が必要です。
また、住み着いた虫は産卵することでその数を増やすため、早めに対処しましょう。
本に虫がわかないようにするために、代表的な方法として虫干し法と呼ばれるものがあります。
方法は非常に簡単です。
晴れた日に風通しが良い場所で本を開いて置いておくだけです。
そのようなスペースがない場合は、室内に置いて扇風機をかけても同様の効果が得られることを覚えておきましょう。
ここでいくつか注意すべきことがあります。
1つは直射日光を避けることです。
本を直射日光に当ててしまうと、太陽から発せられる紫外線の影響で本が変色してしまうことがあります。
なるべく日陰で風通しの良い場所を選んで虫干しを行うようにしましょう。
もう1つは、湿度が高い日を選ばないことです。
梅雨の時期や雨が降った翌日は、湿度が高いため虫干しにはあまり適していません。
また、朝の早すぎる時間や夜遅い時間帯も湿度が高くなっていることが多いためできるだけ避けるようにしましょう。
湿度が低く、カラッとした天気の日に行うのがベストです。
多くの本を所有している方の中には、段ボールやプラスチックのケースに入れて本を保存している方も多いのではないでしょうか。
そのような場合は、防虫剤を一緒に入れておくことで虫の発生を防げます。
実際に図書館では、ナフタリンペーパーと呼ばれる防虫作用のある紙を使用して虫の発生を防いでいます。
しかし、家で使う防虫剤はタンス用や洋服用の防虫剤を使っても同じ効果を得られるため、無理してナフタリンペーパーを使う必要はありません。
もし本にカビが生えてしまった場合は、ハケを使って見えるカビを払い落とした後、70パーセントのエタノールを浸した布やキッチンペーパーで拭きます。
その後虫干し同様日陰の風通しが良い場所でそのページを乾燥させることで綺麗な状態に戻せます。
日頃のメンテナンスを怠らず、本を綺麗な状態に保っておきましょう。
今回は古書と古本の違い、そしてその保存方法についてお話ししました。
本は保存状態によって買取価格に大きな差が出てしまいがちです。
古書の買取をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。