「奇譚クラブ」のような絶版雑誌は、なかなか手にはいにくい貴重な雑誌です。
現在は持っている方も少なく、高値で取引される傾向があります。
当店では1冊1冊、現在の取引価格を基に査定させていただきます。
「奇譚クラブ」は、1947年から1983年まで出版されていたSM系のアダルト雑誌です。太平洋戦争終結直後の日本で、出版の自由化を機に多数発行された大衆向け娯楽雑誌をさすカストリ雑誌のひとつです。
カストリ雑誌とは粗悪な用紙に印刷された安価な雑誌で、内容は安直で興味本位なものが多く、エロ(性・性風俗)・グロ(猟奇・犯罪)などの過激な描写が特徴です。具体的には、赤線などの色街探訪記事、猟奇事件記事、性生活告白記事、ポルノ小説などのほか、性的興奮を煽る女性の写真や挿絵が掲載されました。戦前の言論弾圧で消滅したエログロナンセンスを引き継ぐ面もあり、戦後のサブカルチャーに与えた影響も大きいとされています。
本誌「奇譚クラブ」もこのカストリ雑誌というジャンルに含まれる風俗誌であり、1954年と1955年に一時発行禁止処分を受けるほど過激な内容でした。出版社が幾度も変わっており、曙書房から天星社、そこから暁出版、そしてきたん社と出版権が転々としています。
SMの性行動を扱った文学作品としては古典の部類に入り、SM小説である団鬼六の『花と蛇』、沼正三の『家畜人ヤプー』は本誌に連載されていた作品です。
SMを主に取り扱っていましたが、1947年12月号には男娼、男妾、ジゴロに関する記事があり、創刊年の頃から男色や男性同性愛についても取り上げていたことが判明しています。
1997年に出版50周年を迎え、平成版奇譚クラブがユニ報創から出版されました。不定期でしたが翌1998年7月まで出版され、この時期の誌面の様子では新創刊ではなく新装刊と謳っており、復刊を現す巻頭挨拶文が掲載されています。内容は「奇譚クラブ」らしいSMを主題としたもので、昭和40年代の「奇譚クラブ」に掲載されていた記事やモノクロ写真を再掲載しています。
両者とも「奇譚クラブ」でSM小説を連載していた小説家です。団鬼六は官能小説の第一人者として知られ、代表作の『花と蛇』は本誌で連載していました。執筆した多くの作品が映画化され、作家活動のほかに鬼プロダクションを設立し、ピンク映画やSM雑誌を手掛けました。
代表作の『花と蛇』は映画化、ゲーム化mアニメ化など幅広くメディアミックスで展開され、SM作品の最高峰でもあります。
沼正三は覆面作家として活動しており、その正体は諸説あり、三島由紀夫、奥野健男、遠藤周作、倉田卓次、武田泰淳、天野哲夫などが沼正三の正体ではないかと見做されたりもしました。代表作は「奇譚クラブ」も投稿していた『家畜人ヤプー』です。
書名 | 奇譚クラブ |
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書名カナ | キタンクラブ |
著者名 | − |
著者名カナ | − |
ジャンル | 風俗誌 |
出版社 | 曙書房 |
ページ数 | − |
サイズ | − |
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