「キーボード・マガジン」のような長く続く人気雑誌は、なかなか手にはいにくい貴重な雑誌です。
特に年代の古い号は現在は持っている方も少なく、高値で取引される傾向があります。
当店では1冊1冊、現在の取引価格を基に査定させていただきます。
「キーボード・マガジン」とは、株式会社リットーミュージックが刊行している鍵盤楽器をメインとした誌面構成の音楽系月刊誌です。1979年に創刊され現在でも続いている長寿雑誌であり、リットーミュージック社の創業誌でもあります。2008年5月号を最後に月刊誌から季刊誌へと変わり、年4回発行となりました。
アメリカの音楽雑誌である『Key board』詩と編集提携するという珍しい体制で本誌が創刊された1970、1980年の日本では一般的に鍵盤楽器といえばそのほとんどがクラシック・ピアノを指したものであり、一部が電子オルガンという認識が常識でした。そのため刊行される鍵盤楽器の専門誌もクラシック・ピアノか電子オルガンを対象とした記事を掲載するのが当然であり、有名な音楽雑誌ではギターを中心とすれば売り上げが保証できる時代でした。
しかしリットーミュージックは欧米のポピュラーミュージック文化とその音楽理論を下敷にした鍵盤楽器専門誌の立ち上げを決意します。そうなった経緯の背景には、ピアノやオルガンがライブステージにおいて重要であったこと。シンセイザーが登場したことなどがあり、それまで音楽雑誌では圧倒的な人気があったギターを取り上げるのではなく、これから注目されていくであろう鍵盤楽器に焦点を当てた雑誌を作ろうとしたリットーミュージックの決断は画期的かつ慧眼でした。
誌面の方向性としては電気楽器の使用を前提とし、ピアノや電子オルガンの教育を受けている一般大衆をメインの読者層に据え、彼らにポピュラー音楽の演奏情報を提供するという理念を置きました。ポピュラー音楽の詳細な楽譜とその演奏方法の解説も詳細に記され、また、ジャズ/フューホン分野の演奏家による理論についてのシリーズが掲載され当時としては一般には貴重な情報源でした。
創刊号で取り上げた特集は『80年代はキーボードが主役だ!』と題し、インタビュー記事ではリック・ウェイクマン、ヤン・ハマー、尾崎亜美などのミュージシャンにインタビューし、インタビュー記事の他にはアメリカのジャズクラシックピアニストであり作曲家のキース・ジャレットの徹底研究記事を挙げ、ビリー・ジョエルやリチャード・ティーなども取り上げました。
90年代に差し掛かると音楽はさらなる多様性を持つようになり、キーボードにも変革が訪れます。「キーボード・マガジン」はピアノから電子音楽、さらに分野を広げて作曲、録音、ステージ演奏まで幅広い情報を集積し、掲載しました。雑誌で紹介する楽器も鍵盤楽器に限らず、ギターの打ち込み方も書くなど音楽制作のための総合的な情報を提供するようになっていきます。
リットーミュージックは1981年に音響録音系を専門的に扱う新たな音楽雑誌『サウンド&レコーディング・マガジン』を創刊、また2006年にはクラシック/ポピュラー・ピアノ専門誌『ピアノスタイル』を創刊するなど狙いの読者層を細分化し、それぞれに適した題材を取り扱う雑誌を刊行させたことで「キーボード・マガジン」も普遍性を得たトータルな音楽制作に関する記事を多く掲載するようになります。
当初のような記事も無くなったわけではありませんが、主にロックやポップス分野に興味のある読者が想定されており、創刊当初のようなジャズの楽曲分析が掲載されることは少なくなっています。現在でも『Keyboard』誌との編集提携は続いており、海外アーティストの翻訳記事が掲載されるのも特徴の一つとして刊行されています。
書名 | キーボード・マガジン |
---|---|
書名カナ | キーボード・マガジン |
著者名 | − |
著者名カナ | − |
ジャンル | 音楽雑誌 |
出版社 | 株式会社リットーミュージック |
ページ数 | − |
サイズ | A4変形判 |
24時間受け付け中!LINEもOK!
買取実績 人気の記事
まだデータがありません。