囲碁の世界は深く、その歴史や文化には魅力があります。
しかし、その価値を正確に知ることなく、手元に眠らせている方もいるのではないでしょうか。
今回は、囲碁の本を買取に出すことを考えている方に、高値で買取される囲碁の本について、また買取に出す際の注意点を解説します。
囲碁の歴史を知ろう!
囲碁は、7世紀頃に中国から日本へと渡ってきました。
奈良時代にはすでに盛んに囲碁が打たれており、平安時代には貴族たちの間で愛されました。
また、室町時代には囲碁は庶民や武家の間でも広がり、戦国時代に入ると囲碁が戦の模擬として用いられるようになりました。
名の知れた武将である織田信長、豊臣秀吉、徳川家康は、囲碁の師である日海に教えを受けており、日本の囲碁のレベルは大きく飛躍したのです。
江戸時代には、本因坊家、井上家、安井家、林家といった四家が碁の家元として名をはせています。
これらの家元は、将軍御前で行われる御城碁(おしろご)で競い合い、囲碁の技術と文化を高めていきました。
特に本因坊家(ほういんぼうけ)は、四世の本因坊道策によって筆頭となり、その後多くの名棋士が活躍しました。
そして、明治維新によって、囲碁界も大きな変革を迎えます。
西洋文化が日本に入り、囲碁は軽視されるようになりました。
そこで、村瀬秀甫と中川亀三は、方円社を結成し、囲碁の普及と近代化に力を注ぐようになったのです。
その後、囲碁は後継者争いが起きたり囲碁団体の乱立が起きたりしましたが、大正12年に落ち着きを迎え、日本棋院が設立され、囲碁はさらなる発展を遂げるようになりました。
このような囲碁の歴史や文化を知ることで、その本の見方も変わってきますよね。
高値で買取される囲碁の本とは?
高値で買取される囲碁の本は、人気が高い囲碁の本とプレミアが付いている囲碁の本です。
囲碁界の棋戦には、大きく分けて、棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、十段の7つのタイトルがあります。
その中の本因坊は、5月から7月にある本因坊戦で優勝した棋士に与えられるタイトルです。
また、名人は、9月から11月にある名人戦で優勝した棋士に与えられるタイトルです。
そして、棋聖は6月から7月にある棋聖戦で優勝した棋士に与えられるタイトルです。
この本因坊、名人、棋聖は3大タイトルとして知られ、名人と本因坊のタイトルを同時に持つと名人本因坊とよばれ、3大タイトルすべての称号を同時に持つと大三冠とよばれます。
大三冠や名人本因坊が編纂(へんさん)した書籍や棋譜は、人気が高いため高値で買取されるのです。
例として、現代囲碁大系や坂田栄男全集、道策全集などが挙げられます。
和紙を和綴じ(わとじ)した和本や歴史的に価値のある本、箱に入った全集などのプレミアが付いているものは、高値で買取されます。
これらの本は流通量が少ないため、希少性があります。
買取に出す前の準備と注意点
囲碁の本を買取に出す前には、4つのことを考慮しましょう。
本の状態を整える
例えばページが破れていたり、汚れがあったり、色が変化していたりすると、その囲碁の本の価値は下がってしまいます。
そのため、持ち込む前には本の状態をしっかりと確認し、必要ならばクリーニングをしましょう。
特に表紙カバーがある場合、それがきれいであればあるほど、買取価格にプラスがつく可能性が高まります。
また、鉛筆の書き込みは、消せる範囲で消しましょう。
早く売る
囲碁の本は、発売時期が新しいものほど買取価格が高く、発売から時間がたつと需要が下がり、買取価格も下がってしまいます。
1度読んだ囲碁の本をもう読み返さない方は、早めに売りに出しましょう。
しかし、古い囲碁の本でも将棋のタイトルを獲得した将棋の本は人気があるため、買取価格は高いままであることが多いです。
セットで売る
シリーズものの囲碁の本をお持ちの方は、セットで買取に出しましょう。
別々に売りに出すよりも、セットで売った方が1冊あたりの買取金額が高いです。
また、練習問題やガイドブックなどの付属品がある場合は、それもセットで買取に出してください。
なるべく、購入した際と同じ状態になるよう心がけましょう。
売却するタイミング
囲碁の大会や特定の棋士が話題になっている時期は、その関連書籍の需要が高まります。
そのようなタイミングで売却することで、買取価格が上がる可能性があります。
ただし、タイミングを逃すと逆に価格が下がる可能性もあるため、市場の動きをしっかりと把握することが大切です。
まとめ
日本で囲碁は長い歴史があり、これまでに多くの人に愛されています。
大三冠や名人本因坊が編纂した書籍、棋譜や和紙を和綴じした和本や歴史的に価値のある本は高値での買取が期待できます。
お持ちの囲碁の本を売る際は、汚れがないか、付属品がそろっているかなどを確かめてから買取に出しましょう。